「吸血鬼なんてね……“バケモノ”よ」
「!!!!」
「吸血鬼なんてこの世にいない方がいいに決まってる」
「そ、そんなこと言わなくても……」
「見たでしょ、フラッシュ状態に陥った吸血鬼を。」
「はい……」
あの虚ろになった目、恐ろしいほど強い力、考えるだけで背筋が寒くなる。
「吸血鬼はいずれフラッシュ状態に陥る。 ああなる前に吸血鬼から離れた方がいいわ」
「でも、私は……」
紅と契約している。
契約の破棄は吸血鬼側からしか出来ない。
「あのね、皇さん」
花山院先輩が私の目の前に来る。
「私の両親はね……殺されたの」
「…………え」
「吸血鬼にね」
そういった花山院先輩の瞳は……暗闇に包まれていた。
「フラッシュ状態に陥った吸血鬼に殺されてね……殺されるところを見てね、あれ以来私の中では血がトラウマなの。 吸血鬼も大嫌い」
花山院先輩が吸血鬼を嫌いになった理由は両親を殺されたから……
