「ヴァンパイアハンターの副隊長よ」

「ふ、副隊長……?! 凄いですね……」

「ありがとう、さて……コイツを拘束してこの子は治療を受けなきゃ……」

慣れた手つきで倒れた吸血鬼を縛っていく。

「倒れた子は治療室に連れて行って」

「分かりました」

どこからかヴァンパイアハンターの人達が出てきて女の子を運んでいく。

「さて、これで一件落着かしら……皇さん」

「は、はい!」

「ちょっと貴方と話したいことがあって……いいかしら」

「あ、全然大丈夫です……」

「じゃあ行きましょ」

そう言って花山院さんは私の腕を掴む。

パシッ

「……胡桃?」

何故か胡桃が私の片方の腕を掴んでいた。

「貴方……確か有栖川胡桃さんよね? なんの用かしら」

「妃奈……行くの?」

「あ、うんごめんね、先戻っていいよ?」

「……分かった、気をつけて」

「? うん」

ようやく胡桃が私の腕を離す。
胡桃の視線は花山院先輩に向いていた。

怖い顔で睨み続けている。
何かあったのかな……?


「さぁ皇さん行きましょうか」

そうして私と花山院先輩はお話することになった。