「誰か……助けてっっ!」

ありったけの声で叫ぶ。



ザシュッ

「ガハッ……ッ」

いきなり私を襲っていた吸血鬼が倒れる。
肩には何かが刺さっている。
なにこれ……銃弾……?


「その子から離れなさい」

学園の屋根から誰かが降りてくる。
うそ、この高さで?!


その子は綺麗に着地しこちらを見る。
サラサラのポニーテールがユラユラ揺れている。
切れ長の目で吸血鬼を睨む。

この子めっちゃ美人……しかも迫力がすごい……

その子の手には銃らしき物が握られていた。

「怪我はない?大丈夫?」

近づいてきて私に手を差し伸べる。

「あ、ありがとうございます……」

頭を下げると大丈夫と返ってくる。

「あの、貴方は……」

「花山院真由(カザンイン マユ) 高校2年生よ」

「あ、先輩なんですね……私、皇 妃奈って言います。その、高校1年生です」

「今年入ってきたのね、よろしく」

「はい……!」

先輩と握手を交わす。

「それにしてもフラッシュ状態の吸血鬼は本当に愚か……相手も他人も傷つけるなんてほんとにこれだから吸血鬼は嫌なの」

倒れた吸血鬼を蔑んだような目で見下ろす。

「もしかして……ヴァンパイアハンターの方ですか……?」