振り返るとフラッシュ状態の吸血鬼が何故か私に近づいてきた。
血だらけの女の子が地面に落ちる。

「っ……妃奈、早く!!!!」

胡桃に手を出されて慌てて起き上がって握ろうとした……けど吸血鬼が私に飛びかかってくる。

「っきゃあ!」

またもや転んでしまう。
あああ痛い……体が怪我だらけになっちゃうよ(泣)

その上に吸血鬼が馬乗りになってくる。
え、これどういう状態

「妃奈、抵抗してっ!」

胡桃が私に叫ぶ。
どうしよう恐ろしいほど力が強い。

「アマイ……ニオイ」

吸血鬼は虚ろな目で私の膝を見る。
膝…………?

「オイシソウナニオイ……タベテヤル」

「え、まって今なんて言った?!」

食べてやる?!ちょ、私殺される?!

「ちょっと……離してっ!!!!」


必死に抵抗するも中々どいてくれない。
どうしよう力が強すぎるよ……

「妃奈に触るなっ!」

胡桃が吸血鬼に体当たりするも簡単に吹き飛ばされてしまう。

「胡桃っ?!」

「へ、平気よ……」

痛そうに顔を歪めて立ち上がる。

そうこうしているうちに吸血鬼が私の首元に近づく。
やだ、やめて怖い

「や、やだ……!!」

怖くて涙がこぼれる。
私、殺されちゃうの……?