胡桃に手をひかれ、間一髪のところでガラスをよけれた。
「大丈夫?!」
「胡桃……その、ほっぺが……」
胡桃のほっぺからはガラスで切ったのか血が流れていた。
「あー……大丈夫よ、こんくらい。それより、早く逃げよ!!」
さっきの音はフラッシュ状態の吸血鬼がこっちに来た音見たい。
「な、何あれ……?!」
フラッシュ状態の吸血鬼が抱えていたのは血だらけの女の子だった。
目は虚ろで涙がこぼれている。
あまりにも怖くて背中がゾッとした。
「多分あの二人揉めたのかもね、それで吸血鬼側が怒りフラッシュに陥った……」
「フラッシュってあんな感じなんだ……」
紅もそうなるのかな……やだな、なんか怖いや。
「あっ」
考え事しながら走っていたら思わず石につまづいて転んでしまった。
「いったぁ……!」
「妃奈大丈夫?!」
膝からは血が滲み出ていた。
うう痛い……
「ひ、妃奈……後ろ」
「後ろ?」