「妃奈、体調は大丈夫か?」
「まあなんとか、さてそろそろ帰ろうかな」
「だな……今日も送ってく」
私がベッドから降りるといきなり手を差し出される。
「……なに?」
「手繋ごーぜ」
「な、なんで?!」
手繋ぐって恥ずかしい……!!
「何となく、それにお前心配だし」
「私はもう子供じゃないよ」
「いいから、ほら行くぞ」
そう言っえ無理やり手を掴まれる。
ゴツゴツした大きい手……やっぱり男の子なんだなぁ
「どした?」
「いや……なんでもない、帰ろ」
私の視線に気づいたのか紅が私を振り返る。
初めての吸血は、とんでもなく痛くて……でも、ふわふわしててそんな不思議な感覚だった。