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「んん……ここは」
目が覚めると白い天井が見えた。
ここは保健室……なんで……
体を起こすと心做しか体がだるいような……って、あああ!
思い出した、私紅に血をあげたんだっけ
そこから記憶ないってことは……倒れたのかな?
窓からはオレンジ色の光が差し込んでいた。
時計を見ると……5時?!
私何時間くらい寝てた?!
私授業サボったってことになるよね……
ベッドで頭を抱え込んでいるとガラッと音を立てて扉が開いた。
「目は覚めた?」
この声……紅じゃない。
目を向けるとサラサラの黒髪が見える。
「雨衣さん……??」
「そ、目が覚めたみたいで良かった」
雨衣さんはこちらに歩いてきてベッドに座る。
「貧血になって倒れたみたいだね、大丈夫?」
「多少体はだるいけど……大丈夫です、ごめんなさい迷惑かけちゃって」
「大丈夫だよ、初めての吸血は誰でもそうだよ皆倒れちゃうからね」
そう言えば紅はどこなんだろ……?
「紅はね、今先生に呼ばれてるんだ。だから僕がきた」
私の考えてることがわかったみたいに言う。
あ、そーなんだ……
「そろそろ来ると
「妃奈、大丈夫か?!」
「言い終わる前に来ちゃったなぁ……」
苦笑いして雨衣さんが言う。
「紅……大丈夫だよ、ごめんね」
「いや俺も悪い、吸いすぎたなこりゃ次からはもっと気をつけるよ」
「もう僕はお邪魔かな……妃奈ちゃんゆっくり休むんだよ」
手を振って雨衣さんが出ていく。
その背中に私はぺこりと頭を下げた。
