紅に昔言われたことを思い出す。
吸血鬼は飢餓状態になるとフラッシュというものを起こしやすい……紅も今飢餓状態になってるんじゃ?!

となると紅がフラッシュになった場合、暴走する……それじゃ学園内がパニックになる……!!

呼吸もなんだか荒くなってきた紅を見て私はゴクリと喉を鳴らす。

(やるしか……ない)

「紅」

私は横たわっている紅に近づく。

「なんだ……って、は」

私は紅の口元に自分の首を差し出す。

「血……吸っていいよ」

「おま、何やって」

「具合悪そうなのがほっとけないの!! 私は紅に血をあげてなかったから……」

「何とかなるから……妃奈は授業に戻ってろ」

「そんな具合悪そうな顔で言われても説得力ないよ! いいから早く!」

正直怖いけど……でも具合悪そうなんだもん、紅が辛そうだから。

「お願いだから……」

私がそう言ってる俯くと紅が私の顎を持ち上げる。


あれ、これって……顎クイ?!

「後悔すんなよ、そんなに言うなら吸うけど……大丈夫か?」

「いい、大丈夫だから……早く」