「契約ってのは色々と便利で……例えば……」
紅さんが何やら掌をトントンと叩く。
“床に座って”
「っ?」
床にひきつけられるようにぺたんと座り込む。
え、なにこれ?! 今の自分の意思じゃないよ?!
「契約するとね、吸血鬼は相手に命令を下せる。 なんでも言う通りだよ」
「嘘でしょっ!?」
え、契約ってこんなに恐ろしいものなの?!()
「大丈夫、そんなに酷いことはしないよ」
いやいやそんなニッコリ言わなくても……
「ちなみに、契約破棄の場合は吸血鬼側からしか出来ないようになってるよ〜」
「あっ……はい……」
「契約のことはこんな感じかなぁ、あ、紅さんじゃなくて紅って呼んで」
「え、でも先輩だし」
“紅って呼んで”
「紅……?!」
口が勝手に?!
まさかまた……!
じろりと睨めば紅さん……紅は笑ってる。
「ごめんごめん、でも紅って呼べば命令はしないよww」
「分かりました……紅って呼ぶからもう使わないでくださいね?!」
「敬語禁止〜」
「……はい」
契約された相手結構これ不利なのでは……??
