「話は変わるが、二十日にヴィスタン王国にてパーティーが開かれるみたいだ。もちろん、今回も招待状を頂いているよ」
差し出して来たのは、一通の封筒。
呆れて見る気にもなれず、視線を逸らす。
「毎回ご苦労な事だ。来ないと分かっていて、送ってくるのだからな」
「そう言うな。俺としてはそろそろ外交にも手を付けて欲しいんだが?」
「パーティーは面白くない。皆、相手の足をすくう事に必死さ」
「もう長い事、他国と交流していないだろう。そろそろ、行ってくれ」
長いことパーティーに参加していないのは確かだ。
最後に参加したのは、どこかの国の即位式だったか?
パーティーに参加するとなると、エスコートの相手を探さなければならない。
「権力と地位に擦り寄ろうとする貴族の娘など、エスコートする気にもなれん」
「何を言っている。最適な人物が一人いるじゃないか!」
「……は?」
何かを企んでいるかのような顔に、思わず眉間にシワを寄せる。
こいつが言っている相手とは、もしや………。
「…あの女の事か?」



