「…だから、貴女達は何も気にしないで?」


優しく微笑んで見せると、サニー達は何故か目から涙を零し始めた。


「え…っ!ど、どうしたの…?」


まさか言い方が少し冷たすぎた!?それとも、微笑んだつもりが、気持ち悪かったとか!?


泣いた理由を考えれば考える程、色々と浮かんでくる。


目の前でうろたえる私に、サニーは静かに口を開いた。


「…アニ様はとてもお優しいのですね」


「え?」


予想外の言葉に、私は思わず気の抜けた声を出した。



「お怒りになるご様子もなく、わたくし達をお許し下さるなんて…」


手で涙を拭いながら、サニー達は地面に膝をついたまま私を見上げる。



その姿はまるで聖人か何かを見るような目だった。











サニー達を落ち着かせた後、支度を整えて朝食を摂りに華の間へと向かおうとした時だった。



「何だか、外が騒がしいわね」



普段は足音一つしない廊下から、複数の足音が聞こえて来た。



「様子を見て来ましょうか?」


「…そうね。お願い」



どうも規則正しい足音が気になる。


ダリアが外を確認しようとドアへ近づいた時、ノックの音が響いた。