翌朝。


皇宮医から治療を受ける私の元へ、サニー達が『罰して下さい』と揃って懇願しにやって来た。


「…急にどうしたの?」


皇宮医はその場の空気を察すると、軽くお辞儀をして静かに部屋から出て行った。


「あの時、何があってもアニ様に同行すべきでした…。ですが、わたくし共はアニ様の優しさに甘え、責務を放棄した上にアニ様を危険な目に合わせてしまいました」


サニーの悲痛な叫び声が部屋の中に響く。



自分の頬に手を触れるが、そこには昨夜まであったはずの傷はない。


サニー達は皇宮医の力で治ったと思っているようだけど、実際は違う。



……小さい傷だったからかな。寝てる間に治癒したみたい。



人の傷を治してしまうように、自分の傷も治してしまう。


昨日まであった傷が跡形もなく消えているものだから、流石の皇宮医も驚いていた。


「サニー」


私は落ち着いた声でサニー達を見つめた。


「私は、貴女達に罪を問うつもりはないわ。ついて来ないよう命令したのはこの私。貴女達はそれに従っただけよ」



そもそも罪に問える立場ではない。


しかし、サニー達は『陛下の客人』という立場である私を上に見ている。