「不思議ですか?」
「……え!?」
「ふふっ…。アニ様って正直な方ですね!何故私がこの歳でお城に仕えているのか、聞かれたいのではありませんか?」
もしかして、顔に出していたのだろうか。
リリアンは口元に手を当てて、面白そうに笑った。
「陛下のお客人であるアニ様にこの様なお話は不快に思われるかもしれませんが……私は妃になりたいのです」
真っ直ぐな瞳で私を見る。
「……妃って陛下のよね?」
「はい!例え使用人でも、陛下の目に留まれば妃になれる可能性があるとお聞きしました。私はいずれ側近部の試験を受けるつもりです。陛下の近くに行って妃にって………可笑しいですよね」
リリアンはふと我に返って苦笑した。
正直言って、リリアンのような人は珍しくない。
けど、その殆どは身体が成長してからお城へ来るのに対し、リリアンはまだ子供だ。
近づくのであれば、大きくなってからの方が目に留まりやすいと思うけれど。
「可笑しくないよ」



