「テリジェフ様のお世話を担当しますサニー・ディノンと申します」
後ろで髪を一つ結びにした緑髪の女性は、私に向かって頭を下げた。
さっきメイド長が言っていたディノンとは、この人の事ね。
「私はアニ・テリジェフ。宜しくね」
「そのようなご丁寧に…恐縮でございます!」
時間があれば他のメイド達にも名前を聞きたかったけど、
ラディカルメイド長が何度も時計に視線を向ける事からして、まだ何かあるのかもしれない。
「どうかしたの?」
「わたくしとした事が……お気を遣わせてしまい申し訳ございません」
「いえ、私は構いませんが…」
「こちらは陛下がテリジェフ様へと賜られた物でございます」
メイド長がそう言うと、赤いリボンで結ばれた大きな箱が目の前に運ばれてきた。
「陛下が……私に?」
意外な言葉に思わず目を見開く。
陛下から賜ったものとは、一体……。
「どうぞ。お開け下さいませ」
恐る恐るリボンを解く。
箱の中に入っていた物とは……。



