恐る恐る目を開く。
そこに居たのは、顔の整った背の高い男……。
じゃなくて…ッ!
「助けて下さい…ッ!」
そう叫ぶも男の表情は変わらない。
と言うかまるで珍しい物でも見るかのような目で私を見つめている。
………あ。そう言えば私何も変装していない姿だった…。
ふと我に返る。
そりゃあ、変な目で見るよね。
って、もしかしてこの人も仲間だったり……ッ!?
「は、離して下さい…ッ!」
どうにかして側から離れようとするが、身体に回された手の力が強くて、身動きが出来ない。
顔を横に向けた時。
私は地面に流れる赤いものを目にしてしまった。
「……ッチ。見なければ良いものを」
呆れたような男の声。
そう言えばそうだ。
先程追ってきていた男性が急に静かになるものだから、可笑しいとは思った。
助けてくれた事には変わりない。
……が。
この人が殺したのだ。
それも、私が気づかない程に平気な顔で。



