「それで、何の用なの?」
そっと姉の後ろへ近づく。
「……セレナお姉ちゃん!」
一声かけただけなのに、姉は私だと分かったみたいで勢いよく後ろを振り返った。
「アニ…ッ!?」
「へへ…」
「もう、帰ってくるなら手紙送ってよね~!」
「脅かしたくて。セレナお姉ちゃんは変わりなさそうだね」
いつも通りの美女が目の前にはいる。
私とは真逆で姉は整った容姿をしており、大学一の美女と呼ばれている…らしい。
有名な隣町の大学にも通っているし、自慢の姉だ。
「まぁね~。変わりあったと言えば、彼氏が出来たくらい?」
「え…ッ!彼氏がいるの!?」
驚いて思わず叫んでしまった。
「うん。大学の先輩」
「わぁ~…おめでとう」
「いや、まだ彼氏だけどね」
そう言って、姉は苦笑した。
「姉貴うるさい…ッ!!」
勢いよく開かれたドアからグラントが姿を見せた。
「グラント、久しぶり」
「………え、えぇ!?アニ姉…ッ!」
不機嫌から一変。
グラントは分かりやすく戸惑う。
「見ないうちに、大きくなったわね~!」



