暴君陛下の愛したメイドⅠ《修正版》



「それで、何の用なの?」


そっと姉の後ろへ近づく。


「……セレナお姉ちゃん!」

一声かけただけなのに、姉は私だと分かったみたいで勢いよく後ろを振り返った。


「アニ…ッ!?」

「へへ…」

「もう、帰ってくるなら手紙送ってよね~!」


「脅かしたくて。セレナお姉ちゃんは変わりなさそうだね」


いつも通りの美女が目の前にはいる。

私とは真逆で姉は整った容姿をしており、大学一の美女と呼ばれている…らしい。


有名な隣町の大学にも通っているし、自慢の姉だ。


「まぁね~。変わりあったと言えば、彼氏が出来たくらい?」

「え…ッ!彼氏がいるの!?」


驚いて思わず叫んでしまった。


「うん。大学の先輩」


「わぁ~…おめでとう」


「いや、まだ彼氏だけどね」


そう言って、姉は苦笑した。


「姉貴うるさい…ッ!!」


勢いよく開かれたドアからグラントが姿を見せた。


「グラント、久しぶり」


「………え、えぇ!?アニ姉…ッ!」


不機嫌から一変。

グラントは分かりやすく戸惑う。


「見ないうちに、大きくなったわね~!」