陛下のエスコート受けながら会場へと戻ると、美しく着飾った女性達が一気に集まってきた。
「アンディード帝国の皇帝陛下がいらっしゃったわ!」
「陛下ぁ〜ご挨拶宜しいでしょうかぁ〜?」
「ちょっと押さないで下さる!?」
あっという間に辺りは女性達で埋め尽くされ、我先にと話しかけようとする女性達でその場は混雑状態。
身動きするのすら苦しくて、何とかこの状況を脱却しようと輪の外へ出ようとしたその時、隣から伸びてきた手が私を身体ごと引き寄せた。
「陛下…っ!?」
引き寄せたのは陛下で、抱きしめられているかのように私は陛下の腕の中に収まっていた。
えっと……これってどういう状況…?
先程とは違って苦しくはないけれど、怖いほど周囲は静か。
今、どうなって……
周囲が気になって振り返って見ると、先程まで陛下に言い寄っていた女性達は唖然と私たちを見つめていた。
……まぁ、急にこんな光景を見せられたら普通は固まるわよね…。
「あぁ、すまない。余のパートナーが嫉妬をしたようだ」
「……へ?」
この体勢に陛下の言った言葉。
……まるで、私から陛下に抱き着いたかのような。
―――カァ…っ!!
引き寄せたのは陛下の方なのに……っ!



