「これはどうゆう事か説明しろ。余が貴様の首を切り落とす前に」

「ひぃ…ッ!!」

その場を照らす大きなシャンデリア。

上品な白壁に、金色の細工が施された黒色の椅子。

深紅の絨毯は、どこか威圧的で。

金色の肩章に黒いマント姿の男は、地面に膝をついた男の首元に剣を当てた。

息をするのも忘れてしまいそうな張り詰めた雰囲気が、その場を包む。

「な、なんの事を仰られているのか、私にはさっぱり…」

「ほぅ…?この場に及んでまだしらを切るつもりか」

まるで自分に後ろめたい事は何も無いとでも言うかのようにしらをきる男の前に、四枚の紙がばら撒かれる。

「証拠ならここにある。自分の目で確認するがよい」

「な…っ!!」

男は急いで散らばった紙を拾い上げると、書かれている内容に顔色を変えた。


「城の物を勝手に売却し、私腹を肥やしたのだ。







────────……覚悟は良いな?」


「い、いやだぁぁぁぁぁぁあ!!!」


ザク…ッ。

鈍い音が響き渡る。

力を無くしたその身体は膝から崩れ落ちるように地面へ倒れ、吹き出す血はカーペットを汚していく。

その光景を見つめる男の目は只々冷たく、

「行くぞ」

近くの兵士に遺体処理を命じると、何事も無かったようにその場から立ち去るのだった。