初恋チェリー







そして体育祭で話は盛り上がって気付けば20時になりそうだった。



「やべ!そろそろ帰んなきゃ」



1人がそう言うと「俺も」と言ってゾロゾロ席を立ち始める。


みんな食べて出たゴミをそれぞれゴミ箱に捨ててお店を出る。



あたしと和泉と加藤くんは同じ方面の電車だけど、その他のみんなは地元だったり逆の電車だったりしてそれぞれ「バイバーイ」と言って分かれた。




3人になるといつも和泉と荒井くんの話になる。



「あの後荒井くんは何の種目なの?とか聞けばよかったのに〜」


「逆に不自然だぞ?」


「も〜2人とも怖いよー!」



空いている電車に乗り3人で腰掛けて小声で話し始める。


いつもだったら和泉の話だけなのに今日は和泉が



「り、凛はどうなのよ!」



と言ってきた。

待って待って。

あたしの好きな人は加藤には言っていない。



「なに?お前好きなヤツいたわけ?」


「か、関係ないでしょ!和泉!」



和泉の方を見ると申し訳なさそうな顔をしていた。


そしてタイミング良いんだか悪いんだか和泉が降りる駅になった。



「じゃ、じゃあまた明日!」



そそくさと電車を降りていった和泉。


そして残されたあたしと加藤。