そんなあたしがマネージャーに希望したのは不純な理由だ。
「ゆづ!」
そう呼ばれた人はパスされたボールを受け取ってゴールリングに綺麗にシュートを決める。
「「ナイスシュート!」」
マネージャーが揃って声を出す。
深田先輩今日もカッコいい!
あたしはニヤニヤが止まらない。
深田悠月先輩は男バスの2年生。
サラサラの黒髪でキリッとした二重にスッとした鼻筋、ほんのり色づいた唇はとても色っぽい。
身長も高くていわゆるイケメン。
もちろんモテないわけなくて、好きと言っている子がいることはよく聞く。
だけど深田先輩はクールというか、あんまり話してるイメージがない。
あたしはマネージャーになったら話して〜アタックして〜好きになってもらって〜…なんて甘い妄想してポンっとマネージャーになった。
だけど現実はそう甘くなくて。
1ヶ月経つというのに未だ挨拶以外の会話ゼロ。
先輩達は深田先輩と普通に話せている。
きっと雑用ばっかりやってるしそもそもあたしのこと知らないんじゃ…?
なんて思う時もある。
