初恋チェリー






あ!先輩いた!

体操着珍しいから少しドキッとする。


でも、女の人2人と男の人3人と一緒に笑い合ってるのを見て胸が痛む。


なんの話してるんだろ…。



モヤモヤしながらあっという間に先輩のクラスの近くまで来た。


加藤が先輩に気付いたのと、先輩があたし達に気付いたのはほぼ同時で



「おー東雲と冬馬じゃん。2人同じクラスなんだな」


「こんにちは」

「お疲れ様です」



一旦止まるあたし達に先輩と、先輩と一緒に話してた人たちがやってくる。



「うわ、美男美女」

「名前なんて言うの?」



興味津々といった感じで更に距離が近付く。



「やめとけ。ビビってるから」



先輩がそう言うと「あ」と言って離れる。



「だって可愛いんだもん。ねえ、名前は?」


「東雲凛子だよ」




そう言ったのはあたしではなく先輩だった。


ふ、フルネーム…!

ちゃんと覚えてくれてた…っ!


あたしは嬉しくて思わず笑みが零れる。