女子は左、男子は右と決まってるからどっちにするかのやりとりがなくて楽だ。
括り付け終わってあたしはグイッと加藤の首に腕を回して肩に手を置く。
「な!おま…っ!」
「なによ。こうしないと歩けないじゃん。加藤もあたしの肩待ってよ」
加藤は思っていたよりも身長が高くて肩に手を置くのは疲れそう。
あたしは手の位置を腰に変える。
だけどススッとあたしから体を離そうとする。
ーーカチン。
どんだけあたしのこと嫌いなのよ!
グイッと自分の方に引き寄せて加藤の左腕をあたしの肩に置く。
「だからお前…!」
「そんな露骨に嫌いって態度に出さないでよ。競技なんだからしょうがないでしょ」
「そうじゃ……はあ……」
ため息ってなによー!
「もう!歩くからね!繋がってる方から動かそう」
