神様……どうかお願いします。琉生くんを助けてください。


部屋でずっと祈り続ける。

指に爪が食い込もうが何だろうが気にならなかった。ただ、琉生くんのことしか考えられなかった。


コンコン


「花月、あいつの手当て終わったよ。」


劉魔さんの言葉に慌ててドアを開けるとそこには両腕に血をべっとりとつけた劉磨が立っていた。



「その血…。」
「全部あいつのだ。治療終わったから呼びに来た。」

「琉生くん…助かるよね…?」
「下に来れば分かる。」
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「琉生くん!」



目の前には包帯で足や腕をぐるぐると巻かれた姿の琉生くんが眠っていた。



「なんとか傷は塞いで峠は越えたわ。あとは本人の意識次第。」

「皆さん…ありがとうございます。琉生くん…皆が治してくれたんだよ。意識戻ったら、またいっぱいお話ししようね。」



琉生くんの額に手を当て、さするように撫でる。




「本当は問い詰めたいこといっぱいあったけど、なんか自分が恥ずかしくなってきた。まあ、花月が喜んでるなら僕のことなんかどうでもいいんだけど…。」



「泰揮、大丈夫ですか…?」
「久しぶりに力を使いすぎたわ…部屋で休んでくる。」


「そしたら…今日はお開きだな。」

「花月も部屋で寝るんだよ。」



「私…ここで琉生くんの様子見てます。」

「そんなことしたら花月が倒れちゃうよ。無理しないで…。」



「目が覚めたら一番にいてあげたいから……お願い…ここにいさせて。」
「花月…。」


「はあ……ほら、花月。」





目の前にタオルケットが飛んでくる。もちろん投げてきたのは劉磨さん。



「風邪ひくなよ。」

「うん。ありがとう。」