―泰揮side—

屋敷に戻ってきたけれどすぐに部屋へ閉じこもってしまった花月チャン。あんなに苦しそうな顔をしている花月チャンは初めて見た。


「すべてうまくいったのではないのですか?彼女も、貴方たち2人も腑に落ちない顔をしていましたが…。」

「アタシたちは大丈夫よ。花月チャンも疲れているだけだと思うし…。」


「奏、何か考え事してるのか…?」

「え、いや……なんであいつらは僕たちに協力してくれたんだろうって思って…。」

「人間の情が残っていたのではないですか?」


「僕たちだったら、絶対に帰そうとは思わないもんね。」



「そうね…。きっとアタシたちにはないものを持っていたのよ。彼らは。」