午前の授業が終わり今は食堂にいるのだけれど…


「僕、花月ちゃんの隣がいいの。」
「琉生、おまえは私の隣だよ。」

「ってことだ、残念だな、琉生。」

なぜか彼らにつかまった。

この学校の食堂、全校生徒が使うとは聞いていたけれどまさか彼らと合うとは…

「僕の花月が…あいつら、一体何なの。」
「奏、落ち着け。」

「食事中です。落ち着きなさい。」
「あらあら、1番焦っているのは貴方じゃない?食べこぼししているわよ。」
「…。」

「これからどうしましょうか。」



「おい、中等部。」
「またあんたか。なんで俺らの邪魔をするんですか?劉磨先輩♪」
「俺らが邪魔してるんじゃなくてお前らが俺らの邪魔をしてるんだろ。花月、こっちにこい。」

劉磨さんが私の腕を引っ張り3人から離される。いつもとは比べ物にならないくらいの力の強さ。

もしかして劉磨さん…怒ってる?

「女の子、引っ張っちゃだめですよ、先輩。そんなんじゃ嫌われちゃいますよ。」

白銀さんの言葉に力を緩める劉磨さん。


「それにいつから花月が先輩たちのものになったんですか?」
「一緒に住んでるし今までずっと俺たちといたんだ。俺たちのものに決まってんだろ。」

「花月、花月はこの人たちのものなの?」

白銀くんの青い瞳に吸い込まれそうになる。頭がぼーっとしてきて意識が朦朧とする。


「ねえ、劉磨先輩たちのものなの…?俺たちのものだよね?」

頭の中に彼の声が響く。

劉…磨…?私は劉磨さんのもの…?あれ…そもそも劉磨さんって…誰だっけ…?




「私はこんな人…知らないから…白銀くんたちのものだよ。」
「そうだよね。じゃあ、ご飯食べよっか。」
「おい、花月。」

「なんですか…?」


しつこく私を引き留める彼。知らない人なのになんでこんなにしつこいの…?


「お前、なんで目が青いんだよ。しっかりしろ、花月。」
「放して…いただけますか?」

「白銀、てめえ花月に何をした。」
「別に何も?花月が先輩たちじゃなくて俺たちを選んだだけですよ。花月じゃなくて俺達のこと疑うんですか?」

「……もういい。勝手にしろ。」

「やれやれ、食事は静かに取りたいものですね。」

「輝石くんも花月ちゃんも座って座って。」




彼らの言う通り席に座り食事をとる。

これが当たり前のはず。でもなぜだろう。頭の中で誰かが私の名前を叫ぶ声が響いている。


「どうかしましたか?」
「何かが……頭に残るの……。」

「きっと気のせいだよ。今は僕たちのことだけ考えて。」