2人と別れ自分の部屋に戻る。昨日は勉強ができなかったから今日はやらないと…

「あなたが白梨花月ね。」
「え…?誰…?」

あたりを見渡すが当然誰もいない。この声はどこから聞こえているの…?


「黒鬼院様が仰っていた通りとてもいい香りがするわね。生贄としては十分。」

「生贄…?生贄の花嫁のことですか?」
「フフフ…まだ何にも知らないのね。自分が持っているものの価値も。」

「あなたは誰なんですか?」

「私…?そうね…キズ。私の名前はキズよ。」

「キズさん…。私に何の御用ですか?」

「貴女を一目見たくて見物に来たのよ。このゲームの賞品である貴女をね。」
「ゲーム…?賞品…?」

「そう…これから始まる命を懸けた最高のゲーム。ああ、そういえば、昨日はうちの白蛇たちがここにきたでしょ?どうだった、あの痛みは。」

「蛇って…まさか。」

「痛かった?苦しかった?」
「そ、そんなの当たり前じゃないですか。」

「あれは私が受けた痛みと苦しみ。それを貴女に…彼らに味合わせたかったの。」

「彼ら…?」



「…いえ、何でもないわ。とにかくこれから始まるゲームでせいぜい死人が出ないことを祈っているのね。貴女を守ってくれる騎士たちがどうなるか…楽しみだわ。」

これから何が始まるというの…?命を懸けて…どうするの…?

「そうそう、最後に一つ忠告よ。もし私の存在を誰かに言ったら私が貴女を殺しちゃうから。」




その声を最後にキズさんとの“会話”は終わった。