「では、今年最後の大晦日&新年の訪れを祝って花火大会を開始しまーす!」

「で、何で柚が仕切っているわけ?」

「だって元々こういうの好きだし、私がやらなかったら普通のテンションで年超す予定だったでしょ。」


「相変わらず柚ちゃんはパワフルというか、タフというか元気いっぱいね。」

「んなこといいからもう食おうぜ。腹減った。」

「ダメダメ!ちゃんと1人1人今年の反省と来年の目標を言うの!それでご飯食べてー、花火大会して初日の出を見よう!」


柚さんって本当に分からない人だ。笑っていたり、怒っていたり……悲しんでいた時もあった。でも……どこか強い芯のようなものがあって引っ張られそうになる。


「このままでは食事もできなさそうなので大人しく従いましょう。私は個人的な今年の反省はありませんが強いて言うなら……劉磨の赤点回避をできなかったことですかね。」

「な、何でそこで俺が出てくんだよ。」


「……もしかして、藤林先輩ってそういうの気にするタイプ…?」
「姫は知らないかもだけど、悠夜は細かいこと気にする典型的なA型タイプだよ、人間でいうところの。」

「んんんん!奏、楓嬢聞こえていますよ。」

「さすが地獄耳……。」


「悠夜が言ったから次はアタシね。アタシはー、そうね……反省は、花月チャンにイタズラし過ぎたことかしら。来年は花月チャンの花嫁さんの姿が見たいわ……って、聖クン着火準備しないでくれる?」

「…悪い、つい。」

「泰揮は本当にいろいろやらかしてくれたから冗談で笑えないの。はい、次柚。」


「え、私が先!?うーん……反省は、長く旅し過ぎたことかな。やっぱりこの屋敷が私の家って感じだし皆といると落ち着くし。来年の目標は花月を守ること。」

「柚、言っとくけどお前が思っている以上に花月強えぞ、多分。少なくとも能力に関しては。」

「そりゃそうでしょうよ。泰……いや、聖のDNAを受け継いでいるものね。」




「そういえば今更ですが、皆さんの能力って何なんですか…?」


もう半年ほど一緒に過ごしているけれど知っているのは聖さんの火力と悠夜さんの記憶操作だけ。柚さん曰く奏はフェロモンの能力って言っていたけど……。



「そういえば言ってなかったな。俺が『力』の能力。まあ簡単に言えば体力があがって戦闘時に役立つってことだ。んで奏は『フェロモン』。まあ、種類としては輝石の『魅了』の能力に近い。で、お前も知っての通り聖は『炎』、悠夜は『記憶操作』。泰揮は『癒し』の能力。薬作ったり制御アクセサリーなんかが作れるのはその能力があるからだ。」

「へ、へえ……色々な能力があるんですね……。」


なんだか5人揃っていればとても強そうな能力。


「あ、あの…柚さんは…?」

「私の能力は『痛み』。相手の傷や痛みを人に移したり、自分の痛みを相手に移すことができる。でも…力は安定してないからかなり体力を使わないと能力は使えない。そういう貴女は?」


そういえば私の能力って何て言うんだろう…。吸血鬼化したときのアレは能力…だよね…?


「花月チャン、アナタの能力は『テレパシー』と『千里眼』。普段はバングルが制御しているけど、アナタの能力は相当のものよ。」


「っていうことは花月は特殊能力持ちなわけね。楓ちゃんは何の能力…?」