ん……あれ……?朝……?たしか昨夜…泰揮クンのところに話をしに来て、紅茶を飲んだら体が熱くなって……あれ……?


泰揮クンに抱かれた記憶がよみがえる。


私……泰揮クンとしちゃったんだ……。




「花月、おはよう。」

「待って、泰揮クン……私たち……。」
「花月はもう俺のものだよ。」

「泰揮クン……こんなの間違ってる……おかしいよ。」

「なんで……?花月もあんなによがって俺の名前呼んでたよ…?それとも……まだ聖への気持ちが募る…?」

「だって私は聖さんと……。」
「それなら、花月が分かるまで何回でもしようか。」







ガチャ



バキバキバキ






泰揮クンがそこまで言ったとき、けたたましい音が部屋のドアの方から聞こえた。外から破壊されたドアの木片があたりに散らばっている。


「花月、無事…か…」


「おはよう、聖。」

「泰揮…お前……花月に何をした…?」
「何を…?野暮な質問だな。俺と花月は正式に結ばれた。」

「なんだと……?」

「聖、花月は無事……って、何で泰揮と花月が裸でベッドに……。」

「説明……してくれますか、泰揮。」





「簡単なことだよ。こう言えば分かるか?花月の中に俺のDNAを注ぎ込んだ。」
「…ふざけんな!俺の花月に……。」

「俺の花月……?告白してキスをしただけで彼氏気取りか?俺が花月を抱いた。だからもう俺のものだ。これで花月の体も吸血鬼になる。俺が継承者になる。」

「…そんな……お前の都合いい理由で花月を無理やり抱いたのか?」


「いいや、花月との行為は合意の上でのものだ。俺が信じられねえなら花月に聞いてみろ。」

「…花月、違うよな……?これは泰揮に襲われて無理やりされたことだよな……?」

「違う…の……。私は……泰揮クンを拒まなかった……。キスをしたことも…セックスをしたことも…全部覚えている。ごめんなさい……聖さん……。」


「…そんな……。」


「とりあえず、花月さんはこちらに。緊急避妊薬を急いで用意します。」

「はい……。」



「この場のことは、奏に任せます。泰揮も聖も頭を冷やしてこれからのことを考えなさい。」