「第1審査に移ります。今から彼らには用意した衣装を着てもらいウォーキングをしてもらいます。舞台真ん中で決めポーズをしてもらい拍手、歓声の量で審査します。」

「前から思ってたんだけど、そんなので競ってどうするんだろうね。」
「女性はそういうもので喜ぶ生き物なのではないですか?実にくだらないですが……。」


「……2人とも…応援する気ないでしょ…?もう少し楽しもうよ……」

「楓姫はこれが楽しいことだって思うの…?」

「楽しい楽しくないとかじゃない……ただ見ていたいと思うだけ……。好きな人が頑張っている姿を見たら応援したくなるもんだよ。」




楓ちゃん…随分大人びたこと言うな……。好きな人を応援…か。


「え、もしかして楓姫……」
「うわーーー、ストップ!察するだけ。発言しないで。」

「楓……よかったな。」

「楓ちゃん……何かいいことあったの…?」
「花月はまだ知らなくていいの!ほら、審査始まったよ。」



次々と中央へと歩いてくる男の人たちは皆体格もよくたしかに格好いい。普段は姿勢が悪い劉磨さんも胸をはって姿勢よく歩いてる。泰揮クンもいつもと雰囲気が違うけれどとても格好いい。



「劉磨さんも泰揮クンも……あんなに格好いい人だったんだね。歓声がすごいね。」

「まあ、2人とも学園内で有名ですからね、いろいろな意味で。」

「ほら、私たちも拍手しよう。もうすぐ出番終わっちゃう!」
「姫は必死すぎ。まあ、僕も今日だけは劉磨の応援もするかな。」

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「続いて第2審査です。『好きな人への告白』をテーマにこの場で愛の告白をしてもらいます!」



あれ……なんかデジャヴ……?この学校ってそういうこと好きな人多いのか……。


「あーあ……今の2人にとっては地獄のような企画だよ。」

「本当にくだらないですね。歯が浮くようなことを言われて何が良いのだか……。」




「エントリーNo.4の赤羽くん、お願いします。」

「あ、劉磨の番みたい。これは見物だね。」


「その……告白とか考えたことねえから手短に言う。俺は…頭も悪いし運動くらいしか取り柄がねえ。守るなんて言ってるけど本当に守れるかの自信もねえ。でも…お前が望んでくれるなら…側にずっといて何事からも守る。だから…これからも一緒にいてくれ……好きだ。」


「きゃーーー!」



「劉磨のわりには80点ってところだね。珍しく文章にもなってるし、感情だけで押し切ってもいないし。」

「まあ、何をもって歓声をあげるのかは分かりかねますが……。」

「…楓…顔赤いぞ。」

「な、何言ってんの!そりゃあ、ちょっとときめいたけど、全然って感じだし、悪くは無いってところよ。」
「姫、言葉と動きがあってない。」







「いやー、さすがは赤羽くん。これが毎年推薦される魅力ですかね。」

「お前、後で覚えとけよ……。」








「さあ、次の方いきましょう!」