部活終わりになぜか自分も行くって聞かない茉由もつれて、4人で遥の家に向かう。
遥の家のある階数までエレベーターに乗ろうとすると、
待っていたエレベーターから1人背の高いすらっとした男の人が降りてくる。
男の人は横目で俺らを見て、
少し微笑んで軽くお辞儀して通り過ぎる。
通り過ぎた時ふわりと爽やかな匂いがかおる。
「今の人なんか見たことある…ような。萌愛知ってる?」
「え、知らないよ?気のせいじゃない?年上そうだし…」
遥と横山が2人で話しながらエレベーターに乗り込むのをついていく。
小さいころからお隣だから大体の知り合いも同じなんだろう。
遥の家について、玄関を開けて、
遥の「ただいまー」の声と俺らの「お邪魔します」の声に反応して、
パタパタとリビングの方からスリッパの音がして桃奈さんが顔を覗かせる。
…少しいつもと違う?
「おかえりはるちゃん!みんなもいらっしゃいー!外寒くなってきてるよね?」
なんていつも通りの元気さで桃奈さんが話す。
「えっと、はるちゃんの姉の桃奈です。れいちゃんの幼なじみさんなんだよね?よろしくね。」
「突然私もすみません、鈴木茉由です。」
茉由に挨拶して、にこーっと笑う姿もいつもどおり。
…気のせいかな。

