「…私、はるちゃんには何も諦めて欲しくないの。自分に嘘つかないで。」
力なくいう私にはるちゃんが泣きそうな目でみる。
「俺は姉ちゃんにも何も諦めて欲しくないよ?」
「…諦めてないよ。好きなことだってできてるし、理解ある友達だっている。」
「じゃあ、恋愛はしないの?」
「…はるちゃんが私の手を離れるまではしない。」
はるちゃんは黙る。
「じゃあ俺だって姉ちゃんを任せられる人が現れるまで誰とも付き合わない。」
なっ。
「はるちゃんはそんなこと考えなくていい!」
「なんで!いつも姉ちゃんばっか背負う!俺にだって姉ちゃんを大事にしたい気持ちあるよ?!」
私はただ、お母さんとお父さんの代わりに、
はるちゃんをちゃんと大事にして、
ちゃんと大人になるのを見届けたいだけ。
「姉ちゃんはバイトして、家事してくれて、いつも大変じゃん。俺はバスケだって高校だって自分の好きなことしかしてない…」
「それでいいの!私がそうしたいだけだからさ…」
「それじゃ嫌なんだよ。」
はるちゃん…