「なに、急いでるんだけど。」

「追いかけるの?帰れるって言ってたじゃん。」

早く追いかけたくて気が焦る。

「茉由はあいつらに、送ってもらえよ。気をつけてな。」

それだけ伝えてまた走り出そうとしても、

引かれた腕は離されない。

「…茉由、離せ。」

「なんで?お姉さんには早坂がいるじゃん。」

…この時間がもったいない。

ふと、桃奈さんが帰ったほうをみたらもう姿は見えなくて。

ため息が溢れる。