弟にしないで。

遥からケータイを受け取る。

ゆっくり耳に当てると、

『もしもーし!れいちゃん?』

さっきまでいたそばにいた桃奈さんで。

「はい。」

『あ、でたでた!合流できたか気になっててさ!』

「できてます。桃奈さんは順調ですか?」

横から遥の視線を感じる。

横山と茉由からも。

『よかったー!んーまぁまぁだよ!明日が大変だけどね!れいちゃんも楽しんでね!』

「ま、まって。今日洸さんち泊まるの?」

『え?あぁ、洸がね、『桃奈飯』あ、はーい、じゃあご飯食べに行くから切るね!』

「玲司、お肉焦げちゃうよ!」

洸さんの声に嫉妬心が芽生えてたら、

いきなり茉由が大きい声で話しかけてきて驚く。

桃奈さんにも聞こえたみたいで、

『焼肉?いいね!マネージャーの子たちと席近いの?羨ましい!』

桃奈さんの声に少しショックを受ける。

俺と同じとは言わないけど、

少しくらい気にしてくれてもいいじゃん…

『じゃあ行くから切るね!』

と同時に機械音がして、

軽く落ち込む。

「遥…さんきゅ。」

止められなかった。

やめてっていえなかった…