俺の声に一瞬、場が静まる。
普段大きい声を出さない俺の声に驚いたみたいだけど次第に賑やかさを取り戻していく。
「なんで?さっき遥が打ち上げから帰る前には戻るって、え、洸さんち?」
「よくわかんない、聞いてみれば?」
遥にそう言われてケータイに手を伸ばして固まる。
「連絡先、桃奈さんの知らない…」
「えっ!姉ちゃんとあんな仲良くなってたのに?」
ゆっくりうなずくと、
遥がため息をついて、
「聞いてみようか?俺も気になるし。」
…親友に気を使われてしまった。
「…頼む。」
遥のケータイがしばらくしてなる。
「なんか、洸さんに今日泊まって一緒に作業進めよって言われたんだと。俺が大丈夫なら泊まるかも…だって。」
俺が無言になると、
遥が声をかけてくれる。
「…ヤダって言おうか?俺も今日の話とか姉ちゃんとしたいし。」
…いや流石にそこまで弟の遥に頼むのは洸さんに対してフェアじゃないんじゃ。
そう思ってると、
「姉ちゃん?」
横で遥が電話を始めて。
相手は桃奈さんで間違いなくて。
耳をすましてると、
「ん。」
え。

