1人で悶々としながら、
打ち上げ会場に向かうと
もうみんないて、
でも、今着いた感じで始まってはなさそうだったから、
空いてる席に座る。
「姉ちゃん洸さんとこ行った?」
俺が残していってた鞄とかを遥が渡してくれながら尋ねてくる。
「ありがとう、助かる。…行った。」
「そっか!で、ネクタイそのまま?」
俺が黙ると、
遥がニヤニヤしながら、うんうん、そーか、と1人で納得する。
どこかで始まりの挨拶がして、
みんなジュースを飲んだり、
焼肉を焼いたりし始める。
賑やかな空気に包まれていく。
「カーディガンとネクタイ返してもらったの?明日は体育祭だからまぁまだ大丈夫として、これから大丈夫?」
俺の横には遥。
斜め前には、横山がいて、聞いてくる。
「返そうとしてくれたけど…結局そのまま。」
「なんか、成瀬くんイメージ変わるね?」
遥とニヤニヤしながら言う。
…るせ。
「玲司。…彼女?ネクタイそれその人の?」
挨拶の後、正面の空いてた席に幼なじみの茉由が座って、
聞いてくる。
質問ばっか…
「茉由には言う必要ない。」
「…なんで。」
「…なんでってなんで。」
「お、おい玲司…?」
俺の言い方に心配してるのか、
遥が間に入る。
それと同時にケータイが鳴って、
自分のを見ても、
何もない。
遥のケータイらしい。
「姉ちゃん、今日洸さんち泊まり込みになるかもって」
「はぁ?!」

