1人で歩いていると、
「あの、少しいいですか!」
「何組ですか!」
と声をかけられる。
なんで?
あ、れいちゃんにネクタイとカーディガン借りたままだからか!
どうしよう…
忘れてたー
立ち止まって考えてると、
腕を引かれる。
「あのお名前なんて言うんですか!」
「え。」
あ、話しかけられてるのに立ち止まったから、声かけていいと思われたのか!?
慌てて、
「いや、あの、」
「名前教えてください!」
どうしよう!
あたふたしてたら、
自分の影に大きな影が覆いかぶさる。
あ。
「っ、やっぱり…」
「れいちゃん!」
息を切らしたれいちゃんがいて、
わたしは後ろから抱きしめられる形に。
「え、成瀬?」
「…この人俺のだから。」
それだけ言ってれいちゃんは私の手を引いて歩き出す。
ふふ、俺のだって〜
可愛い!
ニコニコしてたら、
「桃奈さんおっかけて走るばっかなんですけど…そばにいてくださいよ。」
なんてそっぽ向いて真っ赤な顔で言うから、
もう、
可愛くて可愛くて!

