弟にしないで。


ゲームはバスケットに関わるものがほとんどみたいで、

「しょ、初心者だけど大丈夫かな、れいちゃん。」

「んー、大丈夫ですよ。」

そう答えながら、

私に貸してくれたカーディガンの袖をまくってくれる。

うう、はるちゃんのニコニコしながらの視線が痛いというか、恥ずかしい。

「れ、れいちゃん自分でやります。」

短くしていたスカートも何回か戻して、いつもと同じくらいかそれより長いくらいにする。

「桃奈さん、怪我はしないでくださいね。」

「はーい!」

元気いっぱいに返事すると、

れいちゃんが少し優しい顔で、

「頑張りましょう?」

って声をかけてくれる。

頑張れますっ!

れいちゃんも腕まくりして、バスケットボールを持つ姿は、

少女漫画の王子様で。

いや、でも王子様って言うほどキラキラを振りまいてる爽やかーな感じでない…

なんて言うんだろ。

ツンデレ弟系イケメンの、

男の子っぽい表情?

「…桃奈さん、集中。」

あ、いけない。

ルール説明にようやく耳を傾ける。