2人で並んで歩いて、
すぐそばのサブアリーナにつく。
『あー!おい!なんだよ、成瀬てめぇ!』
『成瀬!な!!ぬけがけ!?』
れいちゃんと入ると、
入った瞬間にれいちゃんがバスケ部の部員に囲まれる。
…人気者だ!
「姉ちゃん、その格好どうしたの?」
さっき手伝いにいくっていってたはるちゃんがいて、
「この学校の子のこのスタイル真似してみたくてれいちゃんにお願いしたの!」
はるちゃんとも普通に話せる。
よかった。
「えー成瀬くんから借りれたんですか!激レアですよ!」
激レア…
萌愛ちゃんとも普通だ。
れいちゃんのおかげだ。
「この格好してる子としてない子もいるけど…なんでなの?単純に寒いからとかでかりるの?」
はるちゃんが、
「また…そんなことだとは思ったけど。それは付き合ってる人いますよーってアピールみたいなもんだよ?」
付き合ってる人がいる?
「あー!好きな人の上着借りたり、付き合ってる人の借りたりするってこと?え、じゃあ…れいちゃんの借りたい人いっぱいいるんじゃ…」
「ちなみに、成瀬くんは今まで全部断って誰にも貸したことないから激レアなんですよ!」
萌愛ちゃんが付け加えてくれる。
「え、ええー!も、申し訳ないー!れいちゃーん!」
私は慌てて、
部員に囲まれてるれいちゃんのところにいって、
部員の輪から引き離してくる。
「れ、れいちゃん、意味も知らずカーディガン借りてごめん…今からでも返します。」
背伸びして、少ししゃがんでもらって耳打ちする。
「ふっ、今更ですか?」
だ、だって、
意味を知ってしまうと弟っぽいから〜なんて気軽に言って着れない!
女の子みんな憧れてるカーディガンだったなんて。
バカバカ。
少し考えたらわかったのにー。