桃奈さんは3年生がやってるカフェについて、
何を食べるか迷っている。
「ねぇ、れいちゃん、かき氷とケーキどっちがいいかな?」
「どっちも頼めばいいと思いますけど…」
「えー、じゃあもし残しちゃったら少し手伝ってくれる?」
…ずるい。
上目遣いになるのは身長的に仕方ないと思うけど、ずるい。
「もちろん。」
桃奈さんはパァっと明るい顔をして2つとも注文し始めた。
女の先輩に注文している間に
後ろから引っ張られる。
振り返るとバスケ部だった先輩。
「いや、お前さすがだな。彼女?だよな?可愛すぎるぞ。羨ましい…」
「先輩、残念ながら彼女にはまだなってもらえてません。そして、遥のお姉さんです。」
先輩は、俺に仲間だとかなんだとかいって肩を組んできて、
「バスケ部だった〜」
と自己紹介を始めるが、
桃奈さんはそうなんですかーはるちゃんをお願いしますーと流して会話は終了。
先輩は泣く泣く離れていく。
「意外。遥に関係する人にはもっと積極的に関わるのかと思ってました…」
「んー、そう?挨拶は普通にするよ!それに今はれいちゃんと回ってるのにそっちのけでお話しするのも嫌だし!」
深い意味なんて、
弟の親友と回ってるからって意味しかないのはわかってるのに、
口が緩む。

