弟にしないで。


姉貴の文化祭なんて…

「行こうと思ったことすらなかったです。でも桃奈さんいるならいきたかったです。」

「ふふ、そんなものなんだね〜、うちはクラス単位で盛り上がるよ〜!そんで部活はステージとかがほとんどだね!」

見事なスルーされたけど、まぁいいや。

「れいちゃんは明日体育祭?」

「そうです、疲れます。」

「えーいいじゃん楽しくて!お祭りって感じで!」

文化祭二日、体育祭一日で全部で三日あるこの学校のお祭り。

確か姉貴も体育祭だるいとか言ってた気がするからこれは同じような日程だと思う。

あ、

「明日も来てくれるんですか?」

「行きたいけど行けないの!絶対はるちゃんもれいちゃんも活躍するのにねー!残念…来年こそは行きたい!」

ガッツポーズしながら、頑張って!と声をかけてくれる。

…これないのか。

2人で廊下を歩くと周りの視線を感じる。

男どもは桃奈さんをみて、

可愛い、やべー、とか言ってる。

…確かに可愛いしやべーけど、

お前らの桃奈さんじゃねぇから。

まぁ俺のでもないけど。

桃奈さんとの距離をまた少し詰めると、

桃奈さんは不思議そうな顔をしつつも、

嬉しそうに笑う。

可愛い。