「桃奈さん、どこ回りたい?」

ご機嫌そうなれいちゃん。

この手はいつ離せば…

と、2人の間で揺れる手を見つめる。

「れいちゃん、さすがに私もはるちゃんと手を繋いでは歩かないよ…腕は持つけど。」

「いや、腕は持つんですか。」

「え、綾としないの?」

「想像しただけで気持ち悪いです。」

へー、いろいろなんだなぁ。

じゃあなぜ…

やっぱり私は繋がれた手に視線を落とす。

それから見ないようにしてるけど、

痛い。

周りの視線が。

ものすごく注目浴びてる気がする。

「れいちゃんやっぱりいくらお姉さんでも手は繋がないと思います。」

カタコトで私が言うのに、

「当たり前じゃないですか。俺、桃奈さんの弟ではないし繋いでも変じゃないです。」

「ええ!弟嫌なの?」

「はぁ?!」

今日何度目という呆れた目。

やめて、その目でれいちゃんまで見ないで。

もうあの5人に向けられるだけで十分だよ…