弟にしないで。


私は手をれいちゃんの方に伸ばす。

「私だけでも良かったら一緒に回って!」

私の言葉で洸が立ち止まる。

急に止まるから少しバランスを崩しそうになる。

あ。

「なんで、その台詞なのにごめんなんですか。」

れいちゃん!

転びそうになったのを支えてくれながられいちゃんがいう。

だって、

「みんなでワイワイ回りたかったのかなって。」

「…違う。桃奈さんって結構バカ。」

「なっ!」

失礼な!

「まぁでも嬉しいからいい。行きましょ。」

今度はれいちゃんに手を掴まれて連れていかれる。

「洸たちごめん!私の分残しといてー!ちゃんと今日中にやるから〜」

半分叫ぶ勢いで、

引きずられていく。

「あーぁ、とられたな洸。」
「っち。あーもう知らね!帰るぞ!」

なんて声をかすかに耳に入れながら、

顔だけじゃなくて、

汗までキラキラしている、

つい最近できた私の2人目の弟を見つめる。

…モテるね、ほんとに。