弟にしないで。


私の表情をみて、

聞こえてないのが分かったのか、

もう一度少しキョロキョロしながら、

「…一緒に回りませんか。」

え、えええ!

なにこの可愛い生き物!

れいちゃんの横顔は少し赤くて、

走ってきたから、

首を流れる汗はキラキラしてて、

「まるで少女漫画だね!!モテる!」

私のグッドサインをみて、

さっきまでの可愛い顔はどこへやら。

呆れた顔をされる。

「あの、誘ってるんですけど…返事は?」

この敬語とタメ語と混ざってる感じも、

仲良しな先輩に恋する少し不器用な後輩感あって可愛い!

「綾は恭介と回るし、男3人いるから、お姉ちゃんいないし、むさ苦しいけどいいの?」

「むさ苦しいって失礼。」
「いや、その前に、もはや怖い。」
「…。」

3人の答えも良くわからないけど、

れいちゃんの、

は?って顔もわからない。