進まない。

なんか引っ張られてる?

後ろを振り返ると、

「れいちゃん!どうしたの?」

「…いや、えっと、帰るんですか?」

さっきのバンドおわって、そのまま走ってきたのか、

さっきのステージのれいちゃんと同じ格好。

改めて近くで見ると、

かっこいい。

「帰るよ!れいちゃんとはるちゃんの青春も見れたし!」

「…青春?」

少し引きつった顔をするれいちゃん。

恥ずかしそう。

「そういえばれいちゃんどうしたの?


「いや…」

れいちゃんの表情は読めない。

ん??

下から覗き込んで、

見上げれば、思い切り顔を晒される。

なっ!

文句でも言ってやろうと口を開こうとしたら、

「……んか。」

れいちゃんが小さい声で何か言う。

ん??