目の前には、爽くん。
「もも、おめでとう。」
爽くんもプレゼントをくれて、
「初めまして!桃奈ちゃん!晴翔と爽斗の姉の凛です!可愛いー!おめでとうー!」
いきなりハグされて、
可愛い紅茶のセットをプレゼントしてくれる。
え、え、晴翔のお姉さん?
疑問ばかりが浮かぶ私に、
リビングから私を呼びにきた晴翔が、
「なんで桃奈んちで俺んちの兄弟揃うわけ?ま、いいや、兄貴たちもご飯食べてけば?」
と声をかける。
「いいの?」
と聞かれてもちろんと答える。
けど、なんでお姉さん?
ハテナだらけの私に、爽くんが、
「前言った、俺の好きな人、だよ。」
と笑う。
え、ええ!!
そ、そっか。
晴翔の家はご両親が再婚されてて、晴翔と爽くんはお母さんの連れ子で、お姉さんはお父さんのって晴翔が説明してくれたことがあった。
「お似合いだと思う!」
私の言葉に爽くんは優しく笑って、
「ありがとう。」
と答える。
「ちょっと爽斗ー!主役を独占しちゃダメじゃない!ほら、あそこで彼氏くんが見てるわよ!」
と爽くんの手に腕を絡めてお姉さんがリビングまで連れていく。
…まだ付き合ったりとかはしてないのかな。
でもお似合いだな。
「姉貴はもう兄貴のこと自分の所有物だと思ってるから。飲み会とか行っても絶対送り迎えさせるし兄貴も甘やかしすぎだよな。ま、なんでもいいけどね、俺は。楽しそうだし。」
晴翔は興味なさそうに私に教えてくれる。
「ご両親は?」
反対とか…されないのかな。
「親父は兄貴に任せたぞとか言ってるし、大丈夫だよ。」
晴翔は私の頭を撫でてリビングに戻る。
私もそのあとを追う。
よかった、爽くんが傷つくのは見たくないもん。
…よかった。

