弟にしないで。


れいちゃんとゆっくりクラゲを堪能して、

水族館を出ると外はもう暗くて、少し寂しい気持ちになってると…

「桃奈さん、これ…。」

綺麗にラッピングされたものを渡される。

「え?」

開けてみると、ネックレス。

「俺バイトとか出来てないし、全然高価なものとかじゃないけど…誕生日プレゼントで買ってました。合宿とかで渡せてないし、おめでとうも全然伝えられてなかったから…」

れいちゃんはそう言って、

少し緊張した顔で、

「誕生日おめでとうございます。…桃奈さんと出会えて俺幸せです。」

そう伝えてくれるから、涙が溢れる。

れいちゃんでよかった。

はるちゃんの親友も、

私の彼氏も、

れいちゃんでよかった。

思い切り抱きついて、

「ありがとう」

と伝えると、

「遅くなってすみません。」

と返して抱きしめてくれる。

「…帰りますか。」

そう言って私から離れようとするれいちゃんを強く抱きしめる。

「桃奈さん?」

れいちゃんが少し下にある私の顔を上から覗き込む。