弟にしないで。


次の日。

「ごめんっ、待たせた?」

賑やかな人混みをなんとか通り抜けて、

目的の人に声をかけると、

「全然。大丈夫ですか?」

と返して息切れしてる私を気遣ってくれる。

ふっと顔を上げると、

れいちゃんのそばに女の人が2人いて私をみて離れてく。

「…ナンパされてたの?」

れいちゃんは苦笑いして、

「声かけてきたのを無視してたんですけど、しつこくて…」

と答える。

…油断も隙もない。

れいちゃんの手を取って、自分の指を絡めて、歩き出す。

「時間ギリギリになってごめんね!行こう!」

れいちゃんは嬉しそうに笑って、

「手は繋がないんじゃなかったですか?」

と意地悪にいう。

「弟とはね!れいちゃんは私の彼氏なんでしょ?」

意地悪にそう笑って返すと、

あまりみたことない弾ける笑顔で、

「嬉しい。」

と返してギュッと繋いだ手に力を込めてくれる。

…可愛いぃぃ。

抱きついてヨシヨシしたい衝動に駆られるけど、我慢。

今日はショッピングデートなんだから!