「玲司、どこ行ってたのー!」

近づいてくる茉由を制する。

腕をまた取ろうとする茉由に言う。

「茉由、ごめんそれはもう無しな。」

「なんでっ、」

茉由が声を上げる。

「なんであの人なの、」

なんでって…

「惹かれたから。全部に。桃奈さんを守りたいと思ったからだよ。」

茉由は下を向いて、

しばらくして、

「あっそ!」

と大きい声を出して背中を向ける。

「茉由」

茉由は無視して背中を向けたままみんなの元にもどる。

…いきなりすぎたか。

桃奈さんが絡むとどうも最善な策が取れないというか、

衝動的になってしまう。

…悪いことしたな。

茉由と同じ方向に歩き出す。

もう一回捕まえてちゃんと話さないと…だよな。