「腕離せ、で、離れろ」

「なんで!いいじゃん!」

茉由からなんとか離れると、

桃奈さんのお友達の男性陣に囲まれる。

「おめでとう!」

恭介さんがそう言ってくれて、

「まぁその様子なら桃奈もすぐ俺のとこ来るかもな。」

洸さんはからかう口調。

「…離しません。」

そう返すと、

「まぁまぁ!桃奈と洸は随分前にその話して一応落ち着いてるから大丈夫だよ。」

と海斗さんが間に入る。

「兄貴も。」

晴翔さんも続けて教えてくれる。

そう…なのか。

少し安心する。

「で、ハグしかしてないってまじ?」

洸さんがニヤニヤしながら肩を組んでくる。

なっ、

桃奈さん!

恥ずかしいからその手の話はしないでよ…

「半年以上待たされたのにまだまってんの?いいよ、押してけば。」

晴翔さんは苦笑いしながら言う。

「桃奈に色気が足りない?」

海斗さんの発言に首を振って、

「俺の問題です。」

って答えると4人して、

「なんだー、綾の説が正解かー」

と残念そう。

姉貴の説…絶対ろくでもない。

「ま、何はともあれ、遥くん共々、桃奈のこと頼むね。なんかあったら相談して!…洸は意地悪するかもだけど!」

「し、しねぇし、たぶん。」

恭介さんの言葉に皆さんうなずく。

…なんか男兄弟の末っ子になった気分。

「…ありがとうございます。」