また寝てしまったその顔にかかる髪の毛を手でよけてあげるとくすぐったいのか身をよじる。

…可愛い。

1時間くらいしたら、また桃奈さんがゆっくり目を覚ます。

今は8時前。

「…れいちゃん…ん〜」

また手を広げて駄々っ子のような顔をする。

…正直頭を抱えたい。

この人、一気に甘えたになる人なのかな。

それとも体調悪いから?

どちらにせよ、心臓に悪いから控えてほしい。

俺がなかなかハグしないのが不満だったのか自分から抱きついてくる。

…身動きが取れなくなって彷徨う手をなんとか桃奈さんの背中に添える。

「れいちゃん、ありがとう。待たせて…本当にごめんなさい。…まだ好き?」

不安そうな声に、添えるだけだった手に力を込める。

「…桃奈さん好きだよ。毎日さらに好きになるよ。」

そう伝えると、

桃奈さんは静かになって、

自分のTシャツが少し濡れた感覚がする。

また抱きしめる力を強くして、

「桃奈さん、俺と付き合ってください。」

とドキドキしながら言う。